テーブルクロスとおひるごはん 堀井和子

  • 著者の本としては、久しぶりに『気ままなパンの本』『気ままな朝食の本』を思い出させる大きな版型のを買ったが、彼女のファンになったあれらの本ほどには好きになれない。もちろん、きわめて洗練された写真で構成されたヴィジュアル性には文句のつけようもなく、その昔のノートブックふうのスパイラル仕様で半透明のプラスチック・ケースに入った、著者によるスケッチの一つ一つ、カップやグラスとスプーンの組合せ一つ一つを飽きず眺めたあれらの本がそれほど素晴しかったということなのだが。ヨーグルト入りパンケーキや、すりおろしたジャガイモを入れたパンケーキなど、さっぱり作らなくなってしまったが、あらためて開いてみたくなった。
  • さて、この本のレシピ自体は、かなり渋い感じ。作り方もそれほど難しくないものが多いが、それだけに、材料と作り手の良否に出来は左右されそうだ。早速土日と続けて作ったのは、「フレッシュトマトのスパゲッティーニ」で、この素麺みたいなパスタは自分で料理するのは初めてだったが、軽い一皿になって、なぜこれを使うのか納得。刻んだプチトマトに粗塩をふり、エクストラヴァージン・オリーヴオイルをかけておき、別にオリーヴオイルを熱してにんにくのみじん切りと赤唐辛子を炒め、トマトにかけてなじませる。つまり、トマトには火を入れない。二度目に作ったときは、ニンニクを炒めるときにアンチョビも加えてみた。
  • もう一つ、油揚げと長葱炒めごはんを今朝作るつもりでいた。油揚げをあぶって切り、炊き立てのごはんに混ぜ、細長く切った長葱を油でじゃっと炒め、刻んだ赤唐辛子を入れ、塩、醤油少々で味つけしてごはんの上に盛るというもの。しかし、時間がないので、一つ前のページでじゃこ(しらす)を炒めているのを参考に、胡麻油でしらすを炒め、ほうれん草(ゆでたのがあった)を入れて炒めた一皿に変更。油揚げはイワシ丸干し(今日はこれが古くならないうちに食べる必要があった)の隣にのせて焼いた。他におかずは、豆腐とシイタケのおつけ、納豆、冷奴。葱(きのう泥つきのを買った)は次の機会にたっぷりと。しらす炒め、大根葉でも美味しかろう。

*ごはんの時間が楽しくなる44のレシピ/柴田書店(200410)1890円◆11/24(金)@旭屋書店 銀座店