心を生みだす脳のシステム     茂木健一郎

  • 今回の二冊は面白い。『クオリア降臨』に至る背景がわかるし、それよりもはるかに興味深い(批判のための資料としてもだが、科学的記述は純粋に面白い)。しかし、『クオリア降臨』は……問題提起自体は面白く読める。だが、柄谷行人の言葉を借りるなら、今頃単独で結核菌を発見してもしょうがないのだ。専門分野では素人相手にこれだけ書ける人が、相田みつを並みの(文章力はずっと上の、とつけ加えたところでなんになろう)紋切型におさまってしまうのだから文学とは残酷なものだ。(12/22)

*副題;「私」というミステリー、NHK出版(200406)1124円◆12/21(木)@ブックファースト 銀座店