猫楠 南方熊楠の生涯  水木 しげる

  • SM嬢のお誘いで国立科学博物館の化け物展へ。常設展のうち。南方熊楠展も見られたので入る。ミュージアム・ショップにてあまたの熊楠関係書籍よりこれを選ぶ。熊楠も澁澤龍彦の書で名を知った一人(最初は人名と思わなかった)。その後知りたること少なし。ついせんだってまでミナミカタと思っていたほどの無知なり。熊楠が「浄の男道」などと言っていたことあとで思い出す(SM嬢に訊かれたのに思い出さず)。四十まで童貞だったのも驚くようなことではない。乱歩と同じ相手と文通していたし。(女は奥さんだけということだろう。水木しげるのマンガではそのあたりは隠蔽。)狂言回しの猫楠、熊あんに名をもらった猫だが、タダモノではなかった。

*角川文庫ソフィア(199610)693円◆10/27(金)@国立科学博物館