冠婚葬祭のひみつ 斎藤美奈子

  • 実に真っ当なメタ冠婚葬祭本(マニュアル本ではなく)。斎藤美奈子は基本的に中庸の人なのだ。
  • 昨日「祭」(義理の伯母の三回忌)に行って、不忍池を見おろしながら(あんな上から眺めたのははじめて)ご馳走をいただいてきたばかり。先月は「婚」に行った――これは私にとっては非常にまれな経験であり(中一のときの叔母の披露宴、元同僚の披露宴、弟の披露宴、元同僚の式と披露宴、そして今回……これが結婚関係のイベントに出た経歴のすべてである。友人の結婚式というものはない。たぶん、友人とは、結婚しないものだからだ(ねがはくはこれ以上増えないように)――めずらしい風俗を目にしてきた)が、女が内向き(両親への感謝)の挨拶を読み上げ、新郎がしめくくりの一同への挨拶(「幸せにします」宣言)をするのをフフンと思いながら見てきたが、本書によればこれこそ最新のトレンドなのであった。戒名無し、香典辞退で音楽を流す「葬」はすでにやってしまった。なんにせよ、ephemereなものたちよ!

岩波書店(200605)777円◆6/19(月)@近藤書店 朝日店