「父の娘」たち 矢川 澄子

  • 『甘い蜜の部屋』を書き終えたときの森茉莉インタヴューも収録。当時定期購読していた新潮社の「波」で、リアルタイムにこれを読んだ。森茉莉の写真も矢川澄子の写真もそのときが初見。矢川の名は、ホッケの『迷宮としての世界』の種村季弘との共訳者として知った(この本とボルヘスの『伝奇集』(デュ・モーリアと併録で出ていた文学全集版)を神田の本屋街で探し歩いたが見つからず、三省堂で調べてくれて(インターネット以前だから当然電話で)、ホッケが池袋店に一冊あると判明。お茶の水から池袋へまわり、外函に開いた窓からモンス・デジデリオの表紙絵がのぞける、学生の身にはとびきり高価な本を入手。『伝奇集』はのちに単独で刊行された)。澁澤龍彦との結婚歴は、このときまだ知らなかったと思う。

平凡社ライブラリー(200607)998円◆7/27(木)@改造社書店(銀座)